特集 令和時代の循環器薬の使い方—処方の意図と治療戦略
Ⅲ. 心不全・心筋症
アミロイドーシスおよびFabry病の心病変に関わる最新薬物治療について教えてください
石井 奈津子
1
,
久保 亨
1
1高知大学医学部老年病・循環器内科学
キーワード:
TTR四量体安定化薬
,
低分子干渉RNA製剤
,
酵素補充療法
,
薬理学的シャペロン療法
Keyword:
TTR四量体安定化薬
,
低分子干渉RNA製剤
,
酵素補充療法
,
薬理学的シャペロン療法
pp.435-442
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232840730030435
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POINT
●2025年改訂版心不全診療ガイドラインでは,ATTR心アミロイドーシスに対する疾患修飾療法として,2つのTTR四量体安定化薬と低分子干渉RNA製剤が高い推奨を得ている.
●ALアミロイドーシスは,ヒト型抗CD38モノクローナル抗体であるダラツムマブによる治療が極めて有効であり,これまで以上に早期治療開始が求められる.
●ATTR心アミロイドーシスに対する心不全治療では,一般的に使用される心不全の予後改善効果薬に関するエビデンスは乏しく,現時点では利尿薬が中心となる.
●Fabry病治療には,酵素補充療法や薬理学的シャペロン療法があるが,今後は基質合成阻害薬や遺伝子治療も期待されている.

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