特集 神経疾患の現在とこれから
診療の最前線
Fabry病
米澤 久司
1
1岩手医科大学内科学講座神経内科・老年科分野
キーワード:
グロボトリアオシルセラミド(Gb3)
,
Lyso-Gb3
,
脳梗塞
,
酵素補充療法
,
薬理学的シェペロン療法
Keyword:
グロボトリアオシルセラミド(Gb3)
,
Lyso-Gb3
,
脳梗塞
,
酵素補充療法
,
薬理学的シェペロン療法
pp.1285-1288
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1285
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Summary
▪Fabry病は,αガラクトシダーゼの欠損または酵素活性の低下により,グルボトリアオシルセラミド(Gb3)がリソソームに蓄積して全身の臓器障害を生じるX染色体関連遺伝疾患である.
▪酵素補充療法(ERT)は20年近い歴史があり,早期にERTを開始することで複数の臓器で機能および病理像が改善することが示されてきている.
▪近年,薬理学的シャペロン療法のmigalastatが認可されたが,経口投与薬であるためその利点は大きい.有効例では抗体産生などの問題は少なく,投与薬の分子量が小さいことからERTでは到達しにくい臓器に対する有効性も期待される.
▪小児やGLA遺伝子変異型によっては使用できない症例があり,有効例でも効果が均一であるかについては今後の課題である.
▪Fabry病は希少疾患ではあるが有効な治療法があり,早期発見・早期治療が重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019