特集 ここが変わった!—呼吸器診療 最新スタンダード
Ⅲ.肺腫瘍
非小細胞肺癌(Ⅲ期)
齊木 雅史
1
,
副島 研造
1
1山梨大学医学部内科学講座呼吸器内科学教室
キーワード:
Ⅲ期非小細胞肺癌
,
手術可能性
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
分子標的薬
Keyword:
Ⅲ期非小細胞肺癌
,
手術可能性
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
分子標的薬
pp.86-92
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232680740010086
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ここが変わった!
●過去のスタンダード
・切除可能Ⅲ期(T1-4N0-1および単一N2=N2a)では,手術+術後プラチナ併用化学療法が標準治療であったが,術後化学療法による5年生存率の上乗せは約4〜5%にとどまった.
・導入化学療法±放射線+手術も検討されたが,プラチナ併用化学療法による治療関連死のリスクや手術実施率の低下などから,標準治療には至らなかった.
・切除不能Ⅲ期(多発N2=N2bまたはN3)では同時化学放射線療法が標準治療であり,5年生存率は15〜20%前後にとどまった.
・免疫チェックポイント阻害薬(ICI)や分子標的薬は周術期・補助療法としては未導入で,再発後の全身治療が主な適応であった.
●現在のスタンダード
・切除可能Ⅲ期(T1-4N0-1およびN2a,一部選択されたN2b)では,ICIを併用した術前・術後,あるいは周術期治療が新たな標準治療となった.
・切除不能Ⅲ期(N2bまたはN3)では,化学放射線療法後デュルバルマブによる地固め療法が標準治療となり,5年生存率は約43%と大幅に改善した.
・TNM分類第9版ではN因子がN2a/N2bに細分化され,N2aまでが切除可能,N2b以上は原則切除不能とされるが,ICI併用により境界例も手術検討の対象となっている.
・EGFR遺伝子変異陽性例では,オシメルチニブによる術後化学療法が確立され,切除不能例ではCRT後オシメルチニブによる地固め療法療法が新たな標準治療となりつつある.また,ALK融合遺伝子変異陽性例では,アレクチニブによる術後化学療法が新たな選択肢となった.

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