特集 ここが変わった!—呼吸器診療 最新スタンダード
Ⅱ.気道疾患
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)
谷口 正実
1
,
上出 庸介
1
,
関谷 潔史
1
1国立病院機構相模原病院アレルギー・呼吸器内科
キーワード:
EGPA
,
診断
,
病態
,
予後
,
抗IL-5製剤
Keyword:
EGPA
,
診断
,
病態
,
予後
,
抗IL-5製剤
pp.78-85
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232680740010078
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ここが変わった!
●過去のスタンダード
・疫学:2013年の国内患者数は1,866人,17.8例/100万人と,稀な疾患と考えられていた1).
・診断:厚生労働省の診断基準/Lanham基準2)による診断とACR分類基準(1990)3,4),特に後者のみで診断されることが多く,副鼻腔炎を併存した喘息や好酸球性肺炎などがEGPAと混同されることが少なくなかった.
・過去の標準治療と予後:非重症例ではステロイドのみ,重症例やFFS陽性例ではステロイド+シクロホスファミドの治療が数十年継続されていたが,これによる生存率は5年90%,10年80%,20年60%であり長期予後不良であったが5),主な死因は原疾患でなく感染症などであった6).
●現在のスタンダード
・疫学:2015年に厚生労働省の指定難病に指定され,2023年度末で国内では7,643人が指定を受け,国内患者数は1.5万人程度と推定される.
・診断:血管炎そのものの診断基準がないこともあり,いまだ不全型や非典型例は特に診断が難しいが,ACR/EULAR分類基準が2022年に改訂されスコア化されたことで,より精度の高い分類項目に変更された7).
・現在の治療:国内では,2018年にメポリズマブ,2024年にベンラリズマブが,「既存治療で効果不十分なEGPAの治療薬」として承認された.これらを追加投与することで,慢性期のステロイド維持量が併用前の30%にまで減量でき,一部の例ではステロイド中止も可能となった.抗IL-5製剤は重症例や発症急性期のエビデンスに乏しく長期予後効果は不明であるが,世界的にEGPA基礎治療薬として認識されつつある.

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