Japanese
English
主題 嗅覚・2
嗅覚の心理学的研究
Psychological Studies on Olfaction
吉田 正昭
1
Masaaki Yoshida
1
1日本女子大学文学部
1Japan Women's University, Department of Psychology
pp.281-290
発行日 1968年12月15日
Published Date 1968/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902790
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本年の9月6日から13日まで,スウェーデンの国立食糧保存研究所の主催で,食品の官能検査に関するシンポジウムが同国第二の港町ゲーテボルク市において開催された。日本からは東京教育大学の小原教授と筆者の2名が出席したが,その席上,従来とも文通接触のあつた多数の嗅覚研究者と面識を得ることができた。その中の1人Schutz博士と話しながらつくづく感じたことは,「15年前ならば,どこの国にも嗅覚の研究者は家々たるものであつたろう。シンポジウムなど思いもよらぬことであつた。ところが最近は,ほとんど毎年のようにどこかで関連学会が開かれている。ロンドン(1959),ストックホルム(1962),ニューヨーク(1963),東京(1965),コーネル大学(1966),クリスタルレーク(1966),イスタンブール(1966),etc.etc.数年前私自身が始めてこの領域に手をつけたときは,他の研究者はいない。おくれた領城だと思つていたのだが,勉強するにつれ,知らないのは自分だけで,学問の常識ははるかに進歩しているのだ,ということを発見した。現段階に追いつくためにも猛烈な勉強をせねばならない。」ということであつた。また,昨年,英国食糧研究所のHarper博士と始めて会つたときにも「境界領域の問題という性質上,文献が散在しているだろう。君自身はどうしているか?」と尋ねられた。
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