特集 ノックアウトマウスリスト
2.初期発生
個体発生―形態形成
末盛 博文
1
,
野口 茂
2
Hirofumi Suemori
1
,
Shigeru Noguchi
2
1京都大学再生医科学研究所
2明治乳業医薬事業部
pp.356-357
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902141
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Hox遺伝子群
ショウジョウバエの形態形成を支配するホメオティック遺伝子群の脊椎動物におけるホモログである。これまでに39の類似遺伝子が知られており,ゲノム上で四つのクラスターを形成している。ホメオドメインと呼ばれるDNA結合領域と,ほかのタンパク質との相互作用に必要とされる領域を持つ。体軸に沿って領域特異的な発現を示し,それぞれの領域の形態的特異性を支配する遺伝子の転写調節に関わると考えられる。
[機能]すでに多くのHox遺伝子の変異個体が解析され,神経組織の形成異常(Hoxa-1,Hoxb-1,Hoxa-2など),中軸骨格の前方化(Hoxb-3,Hoxd-3,Hoxa-4,Hoxb-4,Hoxc-4,Hoxd-4,Hoxb-5,Hoxb-6,Hoxb-7,Hoxc-8,Hoxa-9,Hoxb-9,Hoxc-9,Hoxd-9,Hoxa-10,Hoxa-11,Hoxd-11など),四肢形成異常(Hoxa-11,Hoxd-11,Hoxd-12,Hoxa-13,Hoxd-13など),内臓・生殖器官形成異常(Hoxa-3,Hoxc-4,Hoxa-10,Hoxa-11,Hoxd-11,Hoxd-12,Hoxd-13など)などが認められている1-4)。以下,最近の報告のいくつかを紹介する。
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