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第1土曜特集 分子基盤に基づくメカノバイオロジーの臨床応用最前線
発生・再生・修復のメカノバイオロジー
発生・形態形成のメカノバイオロジー
Mechanobiology on development and morphogenesis
近藤 武史
1
Takefumi KONDO
1
1理化学研究所生命機能科学研究センター発生ゲノムシステム研究チーム
キーワード:
胚発生
,
細胞運命決定
,
組織形態形成
,
メカノケミカルフィールドバック
Keyword:
胚発生
,
細胞運命決定
,
組織形態形成
,
メカノケミカルフィールドバック
pp.934-938
発行日 2025年9月6日
Published Date 2025/9/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294100934
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分子発生生物学や発生遺伝学の発展により,遺伝子発現制御やシグナル伝達による細胞運命決定の仕組みについての理解が大きく進んだ.また,イメージング技術の進歩によって,細胞や組織の動態を単一細胞レベルで時空間的に詳細に観察できるようになり,発生過程において細胞が力を生み出し形態形成を駆動する仕組みについても理解が深まった.近年は,こうした遺伝的制御と物理的メカニズムのクロストークに関する研究も進み,形態形成がフィードバックを通じて遺伝子発現や細胞分化にも影響を及ぼすという考え方が広がってきている.これらの知見は,オルガノイド作製技術などの応用にも波及している.本稿では,発生や形態形成において,細胞や組織がどのように物理的情報に応答し,遺伝子発現や細胞分化と結びつけて複雑な構造と機能を自己組織化的に形成しているのか,そのメカノケミカルフィードバックの重要性と最新の研究動向について概説する.

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