特集 第1回国際神経学会展望・3
第4回国際脳波及び臨床神経生理学会シンポジウム集
2.人及び動物脳波の個体発生—司会 J. Knott
堀 泰雄
,
清野 茂博
pp.38-46
発行日 1958年9月1日
Published Date 1958/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901658
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P. Kellaway:人及び動物の脳の電気活動性の個体発生的発展
大脳皮質における電気活動が人及び動物に於て最初に現われるのはJasper et al(′37)及びFlexnerとその協力者(′50)によつて妊娠41〜46日であることが発見された。更にモルモットではこの臨界期はノイロンにニッスル小体が出現し,神経細胞核成長の終点に相当する(Flexner,et al′50′52)。生化学的には,チトクローム酸化酵素,琥珀酸脱水素酵素,アピラーゼの活性が最大限に増大する時期に相当し,その時期に神経細胞は明らかにNaに対して透過性になる(Flexner,et al′50)。
脳の他の場所における電気活動性の出現に関しては小脳以外は未だ研究されていない。鼠の小脳では特有な速波(150〜250c/s)は出生後第12日目迄は出現しない。これは顆粒細胞の結合が確立され,約2日遅れてPurkinje細胞はニッスル小体が最初に出現する時期に当る(Jordan & Snider′49)。Pentsik(′37)は兎について皮質電気活動性の発達はノイロン及び軸索の成熟に平行して行われることを示した。
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