特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998
Ⅲ.トランスミッターの放出・取り込みに作用する薬物
GABA
山本 由美子
1
,
大和谷 厚
1
Yumiko Yamamoto
1
,
Atsushi Yamatodani
1
1大阪大学医学部医用物理学講座
pp.438-440
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901631
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抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)は,GABA作動性神経から遊離された後,神経終末およびグリア細胞にあるGABAトランスポーターの働きにより細胞外液中から取り除かれる。このGABAトランスポーター(以下,GAT)については,1990年Guastella1)らによりラットGAT-1がクローニングされて以来,現在までに少なくとも4種のサブタイプの存在(GAT-1,GAT-2,GAT-3,BGT-1)が知られている。BGT-1は当初,腎臓での浸透圧維持に関わるベタインのトランスポーターとして発見されたが,高いGABA輸送能をもつことから,ベタイン/GABAトランスポーター(BGT)と命名されたものである。これら4種のGATはすべて12回膜貫通型のNa+-Cl-イオン共役型トランスポーターファミリーに属し,GAT-1とGAT-3は神経系に,GAT-2は神経系以外に,BGT-1は両者に分布している。
なお,GATのサブタイプの呼称についてラット,ヒト,イヌではGAT-1,-2,-3,BGT-1,マウスではGAT 1,2,3,4とされているが,遺伝子配列から判断すると,GAT-1とGAT 1,GAT-2とGAT 3,GAT-3とGAT 4,BGT-1とGAT 2が相同であると考えられる。また,かってGAT-A,-BとされたものはGAT-1,-3のことである。
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