話題
クロイツフェルト記念シンポジウム「新皮質の構造と機能構築」印象記
津本 忠治
1
Tadaharu Tsumoto
1
1大阪大学医学部バイオメディカル教育研究センター高次神経医学部門
pp.737-739
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900691
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大脳皮質や視床,とくに視覚系の機能について1950年代末より多くの先駆的研究を展開し,ヨーロッパにおける神経科学のリーダーの一人であったOtto Creutzfeldt教授が64歳で亡くなられたのは1992年1月23日であった。彼のたぐいまれな包容力のある人柄と神経科学に対する多くの貢献については,Experimental Brain Research誌88巻3号(1992年)に弟子の一人であったWolf Singer教授がくわしく書いているので,ここでは省略する。ただ,その追悼文に追加するとすれば,多くの日本人がMünchenやGöttingenにおいて教えを受け,また数度にわたって来日された知日家でもあったという点であろう。筆者も1975年から2年間にわたってGöttingenで薫陶を受けた一人であるが,今回のシンポジウムへの日本からの参加者は筆者一人(笠松卓爾氏がサンフランシスコより参加)であったことには,少し淋しい思いをした。
このクロイツフェルト記念シンポジウムは,彼の研究室があったGöttingenのマックスプランク生物物理化学研究所の講堂で1993年5月18日より5日間にわたって行われた。
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