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特集 ペルオキシソーム/最近の進歩
ペルオキシソーム研究の歴史
History of the research for peroxisomes
東 悳彦
1
Tokuhiko Higashi
1
1腫瘤研究所
pp.166-168
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900185
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現在ペルオキシソームと呼ばれているオルガネラが最初に発見されたのは1954年で,発見者はスウェーデン・カロリンスカ研究所の若い大学院生Rhodin1)であった。彼は電子顕微鏡の先駆者の1人Sjöstrandのもとでマウス腎尿細管上皮細胞の研究をしていて,それまで未知のこの小体を発見した。1枚の限界膜で囲まれ,中に密度の高い顆粒性マトリックスがつまっている直径約0.5μmのこの顆粒は,これといった特徴もないままにmicrobodyと名付けられた。その2年後,Rouillerら2)がラット肝実質細胞でこれと類似のオルガネラを観察したが,それには現在尿酸オキシダーゼそのものと考えられている半結晶性のcoreが存在していた。
一方このオルガネラへの生化学的アプローチは,形態学者達の研究とはまったく別個に,ベルギー・ルバーン大学のde Duve一派によって行われた。彼らは密度勾配遠心法で細胞を細分画し,多くの酵素の活性分布曲線を描いて,そのいくつかのピークが一致する画分に特定のオルガネラが存在するという作業仮説のもとに検索をつづけ,1953年にまず酸性加水分解酵素群を含有する袋状の小体としてリソソームという顆粒像を確立した3)。
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