増大特集 革新脳と関連プロジェクトから見えてきた新しい脳科学
Ⅲ.ヒト疾患研究
b)神経変性疾患
前頭側頭型認知症の生物学
森本 悟
1
Morimoto Satoru
1
1慶應義塾大学医学部生理学教室
キーワード:
前頭側頭型認知症
,
FTD
,
前頭側頭葉変性症
,
FTLD
,
臨床病理学的病態スペクトラム
,
分子遺伝学
,
ヒトiPS細胞モデル
Keyword:
前頭側頭型認知症
,
FTD
,
前頭側頭葉変性症
,
FTLD
,
臨床病理学的病態スペクトラム
,
分子遺伝学
,
ヒトiPS細胞モデル
pp.494-495
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201600
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前頭側頭型認知症(FTD)は,行動,認知,遂行機能,または言語機能における進行性の障害を特徴とする臨床症候群である。一方,前頭側頭葉変性症(FTLD)という用語は,これらの臨床症候群を引き起こす神経変性疾患であり,前頭側頭葉ネットワーク機能障害に関連するタンパク質異常症を含む。臨床的,遺伝学的,および分子生物学的な特徴の解明が進み,FTDおよびFTLDに関する知見が増えるに従い,これまで考えられてきたよりもはるかに広い症状や徴候を示す疾患群であることが明らかになってきた。特に,これまでに同定されたFTDに関連する様々な遺伝子に注目し,その分子病態に関して概説する。
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