増大特集 革新脳と関連プロジェクトから見えてきた新しい脳科学
Ⅲ.ヒト疾患研究
b)神経変性疾患
SBMAの病態解明・治療開発研究
岡田 梨奈
1,2
,
岡田 洋平
1
Okada Rina
1,2
,
Okada Yohei
1
1愛知医科大学内科学講座神経内科
2日本学術振興会
キーワード:
球脊髄性筋萎縮症
,
SBMA
,
ポリグルタミン病
,
アンドロゲン受容体
,
AR
,
神経変性疾患モデル
,
疾患特異的iPS細胞
Keyword:
球脊髄性筋萎縮症
,
SBMA
,
ポリグルタミン病
,
アンドロゲン受容体
,
AR
,
神経変性疾患モデル
,
疾患特異的iPS細胞
pp.480-481
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201593
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
球脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbar muscular atrophy;SBMA)は,成人男性に発症する緩徐進行性の下位運動ニューロン変性疾患である。ポリグルタミン鎖(CAGリピート)の異常伸長したアンドロゲン受容体(AR)が,リガンドであるテストステロン依存的に凝集体を形成し,神経障害の発症・進展に関与すると考えられてきた。しかし,従来解析に用いられてきたモデルマウスは実際の患者とは異なる点もあり,より忠実に患者の病態を再現し得るヒト疾患モデルでの解析が求められてきた。本稿では,SBMAの克服に向けたこれまでの研究と今後の展望について,疾患特異的iPS細胞による最近の知見も含めて概説する。
Copyright © 2022, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.