増大特集 革新脳と関連プロジェクトから見えてきた新しい脳科学
Ⅲ.ヒト疾患研究
b)神経変性疾患
パーキンソン病の遺伝学と神経生物学
服部 信孝
1,2
Hattori Nobutaka
1,2
1順天堂大学大学院医学研究科神経学講座
2理化学研究所脳科学研究センター神経変性疾患連携チーム
キーワード:
遺伝性パーキンソン病
,
CHCHD2
,
プロサポシン
,
ミトコンドリア
,
リソソーム
Keyword:
遺伝性パーキンソン病
,
CHCHD2
,
プロサポシン
,
ミトコンドリア
,
リソソーム
pp.482-483
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201594
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パーキンソン病(PD)は原因不明に神経細胞が変性,脱落する神経変性疾患であり,寡動,振戦,筋強剛といった運動機能障害,更には,認知症,精神症状,自律神経機能障害などの非運動症状が合併することも多く,そのため患者の生活の質に多大な影響が生じる。多くは遺伝歴のない孤発型であるが,5-10%は家族歴のある遺伝性PDである。現在,疾患修飾療法の開発が喫緊の課題であり,その開発に最も有効な戦略が遺伝性PDの病態を明らかにすることである。本稿では,筆者らのチームが中心となって解析している遺伝性PDの神経生物学について解説したい。
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