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第1土曜特集 構造生命科学による創薬への挑戦
タンパク質工学から創薬へ
立体構造から眺めるSARS-CoV-2中和抗体
Three-dimensional view of SARS-CoV-2 neutralizing antibody
黒田 大祐
1,2,3
,
津本 浩平
1,2,3,4
Daisuke KURODA
1,2,3
,
Kouhei TSUMOTO
1,2,3,4
1東京大学大学院工学系研究科医療福祉工学開発評価研究センター
2同バイオエンジニアリング専攻
3同化学生命工学専攻
4東京大学医科学研究所
キーワード:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
中和抗体
,
立体構造
,
バイオインフォマティクス
,
タンパク質工学
Keyword:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
中和抗体
,
立体構造
,
バイオインフォマティクス
,
タンパク質工学
pp.609-615
発行日 2021年8月7日
Published Date 2021/8/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27806609
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昨今の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によるパンデミックは,人々の社会・経済活動を変動させるような甚大な影響を与えている.WHOによるパンデミックの宣言も,2020年3月に行われている.その後,わずか1年の間に膨大な数の関連論文が発表されており,世界中の研究者がワクチン,治療薬,診断薬の開発に挑んでいる.新興感染症に対する迅速かつ効果的な薬剤の創出や,そのための技術開発が強く望まれている.創薬研究の対象には,低分子化合物からペプチド,抗体,細胞療法に至るまで,さまざまな薬剤設計手段が存在し,こうした創薬分類はモダリティとよばれている.なかでも抗体は,その高い親和性と特異性から中核的な位置づけにある.本稿では,SARS-CoV-2に対する中和抗体と,生体分子の立体構造を起点としたタンパク質工学に基づく創薬戦略の可能性について概説する.
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