Japanese
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特集 免疫チェックポイント分子による生体機能制御
Ⅲ.免疫チェックポイント分子による炎症制御
セマフォリンによる関節リウマチ・ANCA関連血管炎の病態制御
The role of immune semaphorins and their involvement in the pathogenesis of rheumatic diseases
西出 真之
1
,
熊ノ郷 淳
1
Nishide Masayuki
1
,
Kumanogoh Atsushi
1
1大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学
キーワード:
セマフォリン
,
関節リウマチ
,
ANCA関連血管炎
,
好中球細胞外トラップ
,
NET
Keyword:
セマフォリン
,
関節リウマチ
,
ANCA関連血管炎
,
好中球細胞外トラップ
,
NET
pp.230-237
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200989
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セマフォリンは神経軸索の伸長の方向を決定づけるガイダンス因子として1990年代に発見された分子であり,その名称は水先案内人の手旗信号(semaphore)に由来する1)。その後の研究により,セマフォリンおよびその関連分子群は,神経系のガイダンスのみにとどまらず,免疫細胞の分化,腫瘍およびその周囲環境,血管新生,骨代謝のバランス制御など,生体内の様々な局面において重要な活性を発揮することが明らかとなっている2)。なかでも,特に免疫ホメオスタシスに関与するセマフォリンは“免疫セマフォリン”と呼ばれ,これらの分子群は,自己免疫疾患の病態形成においても重要な役割を担っていることが示されている。本稿においては,最新の知見に基づき,免疫セマフォリンの機能を概説する。更に,関節リウマチにおいてはセマフォリンが炎症のドライバーとして,ANCA関連血管炎においては好中球上の免疫チェックポイントとして,免疫セマフォリンが病態に深く関与していることを解説し,今後の展望と共に総括する。
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