骨折予防を目指した積極的な骨粗鬆症診療
セマフォリンによる骨代謝制御機構
林 幹人
1
,
中島 友紀
,
高柳 広
1東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学
キーワード:
骨芽細胞
,
骨吸収
,
骨形成
,
細胞間コミュニケーション
,
細胞分化
,
破骨細胞
,
骨組織リモデリング
,
Semaphorin-3A
,
Semaphorins
,
CD100抗原
Keyword:
Bone Resorption
,
Cell Communication
,
Cell Differentiation
,
Osteoclasts
,
Osteogenesis
,
Osteoblasts
,
Bone Remodeling
,
Semaphorins
,
Semaphorin-3A
,
CD100 Antigen
pp.711-715
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013155567
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成体における骨は,破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成で常に生まれ変わることで構造的な強さやミネラル代謝の恒常性を維持しており,このバランスが破綻すると骨粗鬆症などをきたす.最近筆者らは,骨芽細胞がSema3A(semaphorin 3A)を発現し,破骨細胞・骨芽細胞の双方を同調して制御し,骨量を増加させる因子であることを明らかにした.さらに,破骨細胞ではSema4D(semaphorin 4D)が発現し,骨芽細胞分化を抑制することで骨吸収を十分に行うために必要な因子であることが示唆された.これらの分子はいずれもまったく新しいメカニズムを介して骨に作用することから,今後の骨疾患に対する治療戦略の重要なターゲットとなることが期待される.
©Nankodo Co., Ltd., 2013