特集 喘息・COPDと関連疾患の重要知識Up-to-date
喘息・COPDの関連病態と鑑別を要する疾患
血管炎と気道病変—好酸球性多発血管炎性肉芽腫症を中心に
鈴木 康仁
1
,
斎藤 純平
1,2
1福島県立医科大学医学部呼吸器内科学講座
2福島県立医科大学医学部附属病院臨床研究管理部
キーワード:
ANCA関連血管炎
,
AAV
,
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
EGPA
,
好中球細胞外トラップ
,
好酸球細胞外トラップ
,
メポリズマブ
Keyword:
ANCA関連血管炎
,
AAV
,
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
EGPA
,
好中球細胞外トラップ
,
好酸球細胞外トラップ
,
メポリズマブ
pp.2323-2329
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229916
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Point
◎ANCA関連血管炎における血管内皮細胞障害は,ANCAによって好中球が過剰に活性化してサイトカインの異常産生が誘導されることや好中球細胞外トラップ(NETs)の形成によるNETsとANCAによる悪循環によって生じる.
◎好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は喘息あるいはアレルギー性疾患を背景に多発性単神経炎を中心とした血管炎症状と好酸球浸潤による臓器障害を発症する全身壊死性血管炎である.
◎EGPAでは,NETsだけでなく,好酸球細胞外トラップ(EETs)の形成も病態に関与しており,遺伝的差異による病態の違いも報告されている.
◎EGPAの診断や他の血管炎との鑑別には,厚労省難治性血管炎研究班による診断基準や米国リウマチ学会(ACR)と欧州リウマチ学会(EULAR)から合同で公表されたACR/EULAR分類基準2022を参照する.
◎EGPAの標準的な治療は全身性ステロイドに免疫抑制薬や免疫グロブリンを併用することであるが,治療抵抗例では抗インターロイキン-5(IL-5)モノクローナル抗体であるメポリズマブを併用することが推奨されている.
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