増大特集 生命動態システム科学
Ⅲ.合成生物学
2.細胞分裂再構成
分裂様式の操作による細胞運命制御
清光 智美
1,2
Kiyomitsu Tomomi
1,2
1名古屋大学大学院理学研究科
2JSTさきがけ
pp.506-507
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200062
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■背景
細胞は分裂によって数を増やす。その際,染色体に存在する遺伝情報は分配装置である紡錘体によって常に均等に娘細胞に分配される。一方,細胞はこの紡錘体の方向,位置を巧みに制御することで,分裂軸の方向や分裂面の位置を変え,細胞内極性因子や細胞質物質の分配比,娘細胞の配置やサイズを制御することができる(図A)。したがって,紡錘体配置の制御は娘細胞に“違い”を生み出す最初の分岐点であり,細胞分裂の対称性,非対称性を決める重要な役割を果たす。
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