特集 ヒトの再生をめぐる諸問題
胎盤発生と細胞運命決定機構
柴田 峻
1
,
小林 記緒
2
,
岡江 寛明
3
,
有馬 隆博
4
1東北大学大学院医学系研究科情報遺伝学分野助教
2東北大学大学院医学系研究科情報遺伝学分野助教/Department of Mechanical Engineering, University of Michigan Postdoctoral Fel
3東北大学大学院医学系研究科情報遺伝学分野准教授
4東北大学大学院医学系研究科情報遺伝学分野教授
キーワード:
ヒト胎盤発生
,
ヒト栄養膜幹(TS)細胞
,
ヒト胚性幹(ES)細胞
,
胎盤の細胞運命決定機構
,
C19MC
,
初期胚発生モデル
Keyword:
ヒト胎盤発生
,
ヒト栄養膜幹(TS)細胞
,
ヒト胚性幹(ES)細胞
,
胎盤の細胞運命決定機構
,
C19MC
,
初期胚発生モデル
pp.29-36
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.30.01_0029-0036
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胎盤は胎児の発育に欠かせない臓器であり,その役割は多岐にわたる。また,胎盤に異常が生じた場合,さまざまな妊娠合併症を引き起こす。最近,生体内のヒト栄養膜細胞の性質を反映するヒト栄養膜幹(TS)細胞が樹立され,胎盤の発生,分化,増殖などの制御機構について分子レベルでの解析が可能となった。また,ヒト胚性幹(ES)細胞をTS細胞へ誘導する実験系を活用することで,胎盤系列細胞への運命決定機構の一端も明らかになった。本稿では,ヒト胎盤の発生について概説した後,TS細胞の樹立と初期胚発生研究への応用について最新の研究を紹介する。また,近年の幹細胞を用いた胚モデルについても紹介したい。「KEY WORDS」ヒト胎盤発生,ヒト栄養膜幹(TS)細胞,ヒト胚性幹(ES)細胞,胎盤の細胞運命決定機構,C19MC,初期胚発生モデル
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