Japanese
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連載講座 老化を考える・12
認知症者を支援するということ
Supporting persons with dementia
本間 昭
1
Akira Homma
1
1認知症介護研究・研修東京センター
pp.325-331
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101304
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2005年を基準にすると,30年後の2035年には認知症者数はほぼ2.2倍の450万人に増加する1)。高血圧などの疾患に比べれば10分の1以下であるが,自ら医療機関を訪れることが極めて少ないという疾患の特徴を考えれば,その深刻さは明らかであろう。この点に認知症医療とケアの現状が端的に示されている。介護保険導入後の10年を踏まえ,以下具体的に現状と課題を示すが,認知症医療とケアを考えるうえで押さえておかなければならない点が上記の点以外に二つある。一つは高齢者世帯のなかで高齢者夫婦のみ,あるいは高齢者単独の世帯が増加する点である。認知症の場合,先に述べた特徴のために早期発見が困難になる可能性がある。二点目は首都圏をはじめとして都市部で高齢化が急速に進む点である。認知症地域ケアについても,少なくない数の取組みが試みられているが,多くはいわゆる郡部での試みであり,都市部を念頭においたモデルや仕掛けが今後考えられなければならない。図1は現在,厚生労働省が進めている認知症者の地域支援体制のイメージを示しているが,地域と医療と介護の足並みをどのように進めていくことができるかということになる。
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