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特集 医療改革時代におけるリハビリテーション
2015年の高齢者介護
Care for the elderly in 2015
本間 昭
1
Akira Homma
1
1東京都老人総合研究所痴呆介入研究グループ
1Dementia Intervention Research Group, Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology
キーワード:
高齢者
,
介護
,
痴呆
Keyword:
高齢者
,
介護
,
痴呆
pp.313-320
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100557
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はじめに
2000年4月から実施された介護保険制度では,措置から契約への移行,選択と権利の保障,保健・医療・福祉サービスの一体的提供など,わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す変化がもたらされた.また,2003年の4月に最初の保険料の見直しと介護報酬の改定が行われた.介護保険実施5年後には制度自体の見直しが行われる.そこで,介護保険下における高齢者介護の課題を整理し,これからの高齢者介護のあり方とそれを支える社会についての検討,より具体的に言えば,平成16年度を終期とするゴールドプラン21後の新たなプランの策定の方向性,中長期的な介護保険制度の課題や高齢者介護のあり方について提言を行うことを目的とした厚生労働省老健局の求めに応じ,2003年3月に高齢者介護研究会が設置された.
この研究会では,関係者からのヒアリングや集中討議などが10回にわたり開催され,2015年の高齢者介護と題する報告書がだされた.これからのわが国にとって大きな意味をもつ,戦後のベビーブーム世代が65歳以上になりきる2015年までに実現されるべきことが念頭におかれまとめられた.この報告書のなかでは,高齢者がたとえ介護を必要とする状態になっても,その人らしい生活を自分の意志で送ることを可能にする,高齢者の尊厳を支えるケアの実現を目指すことが基本に据えられている.また,この前提となる介護保険制度を持続可能なものにしていくための論議についても述べられている.
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