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特集 インフラマソーム
細菌感染によるNLRP3およびNLRC4を介したインフラマソーム活性化
Bacterial infection―triggered inflammasome activation via NLRP3 and NLRC4
小泉 由起子
1
,
比嘉 直美
1
,
鈴木 敏彦
1
Yukiko Koizumi
1
,
Naomi Higa
1
,
Toshihiko Suzuki
1
1琉球大学大学院 医学研究科 細菌学講座
pp.182-187
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101139
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病原細菌の感染に伴って誘導される炎症などの宿主応答は,細菌感染症発症に至る病態形成プロセスと,その後の免疫応答を理解するうえで重要な生体反応である。これは宿主の防衛反応であると同時に発症機序にも大きく関与する。したがって,病原細菌の感染による病態の理解には病原体側・宿主側の両者の観点から感染・発症機序を解明していくことが鍵となると考えられる。
近年の研究の進展により,宿主自然免疫系システムの病原体パターン認識機構の一つnucleotide-binding oligomerization(NOD)-like receptors(NLRs)が,カスパーゼ-1活性化を介した炎症性サイトカイン産生・炎症誘導機構として注目されている。この機構は細菌,ウイルス,寄生虫などの病原体感染のみならず,自己免疫性の慢性炎症性疾患の病態形成にも関与していることが報告されている。NLRの中でもNLRP3およびNLRC4は多くの病原体の感染を認識して活性化する。また,AIM2はウイルスや細胞内寄生菌の感染において病原体の2本鎖DNAを認識する(土屋・光山先生の項202頁参照)。ところが最近,一部の菌ではNLRによる活性化機構に干渉し,免疫反応を回避する機構を持つことがわかってきた。このように,病原体と宿主の間には複雑な攻防が行われていることがNLR研究からも垣間みることができる。
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