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特集 インフラマソーム
自然免疫系におけるDNAセンサーとインフラマソーム
DNA sensors and inflammasome in the innate immune system
髙岡 晃教
1
,
鈴木 絵里加
1
,
浦山 優輔
1
,
木口 舞美
1
Akinori Takaoka
1
,
Erica Suzuki
1
,
Yuhsuke Urayama
1
,
Maimi Kiguchi
1
1北海道大学 遺伝子病制御研究所 分子生体防御分野
pp.188-201
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101140
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脊椎動物における感染防御システムは自然免疫と適応免疫の二つの局面から構成されている。感染初期の自然免疫系の活性化は,パターン認識受容体によって病原体の構成分子を認識することで引き起こされる1,2)。ウイルスや細菌由来の核酸がターゲットとなり,RNAのみならずDNAもパターン認識受容体である特定のセンサータンパク質によって認識されることで,細胞内のシグナル経路が活性化され,自然免疫応答が誘導される3-5)。また,これらの核酸センサーによって自己の核酸も認識の対象となることで,自己免疫疾患や炎症性疾患の病態形成にかかわっていることも明らかとなってきている4)。これまで自然免疫系におけるRNA認識機構の研究が先行している一方で,DNA認識機構の研究は不明な点が多く残されている。
その状況下,細胞質DNA認識にかかわる分子が最近,複数同定され,下流のシグナル経路が次第に明らかになってきた6-8)。自然免疫系におけるDNAセンサーの下流のシグナル経路はRNAシグナル経路と類似しており,基本的には炎症性サイトカインなど遺伝子発現を誘導するNF-κB(nuclear factor-kappa B)経路,Ⅰ型インターフェロン(interferon:IFN)誘導につながるIRF(IFN regulatory factor)経路,さらにインフラマソームの活性化を引き起こす経路などの主要経路が挙げられる4,9,10)。
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