Japanese
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特集 アディポゲネシス
アグーチ関連蛋白(AGRP)の摂食行動,エネルギー代謝における役割
The role of agouti-related protein in energy homeostasis
森屋 淳子
1
,
瀧本 禎之
1
,
赤林 朗
1
Junko Moriya
1
,
Yoshiyuki Takimoto
1
,
Akira Akabayashi
1
1東京大学大学院医学系研究科ストレス防御心身医学
pp.232-237
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100174
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近年,摂食行動を制御する機構について関心が高まっている。脂肪細胞から分泌されるレプチンが1994年に発見されて以来,視床下部を中心とした中枢神経系における摂食行動とエネルギー代謝の新たな神経ネットワークが解明されつつある1)。特に,4型メラノコルチン受容体(melanocortin receptor 4:MC4R)を中心としたメラノコルチン系は,中枢におけるレプチンの作用部位として注目されている。MC4R関連ペプチドとしては,摂食促進作用を持つアグーチ関連蛋白(agouti-related protein:AGRP)や,摂食抑制作用を持つα-メラニン凝集色素刺激ホルモン(alpha-melanocyte stimulating hormone:α-MSH)が挙げられる。本稿では,特に前者のAGRPに重点をおいて,AGRPの摂食行動やエネルギー代謝に対する作用ならびに末梢における作用を概説する。
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