今月の主題 心不全診療の新たな展開
心不全に対する基礎的研究の進歩
不全心筋のエネルギー代謝
柳下 俊邦
1
,
片桐 敬
1
1昭和大学医学部第3内科
pp.1110-1112
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902145
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●不全心で交感神経系の興奮によるβ1,α1受容体刺激により陽性変力・変時作用を示すが,非代償期にはdown regulationを生じる.
●レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が亢進,Na+・水分の過剰保持で心拍出量を保つ.
●圧・容量負荷によりミオシンのアイソザイム変換,収縮蛋白の合成促進など心筋肥大を生じ,肥大心は相対的虚血に陥る.
●不全心では,心筋血流低下などによりミトコンドリアでの高エネルギーリン酸化合物の産生が低下する.また,筋小胞体機能の障害を生じ,細胞内Ca2+-transientが低下する.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.