特集 ホルモンの病態異常と臨床検査
各論Ⅱ 多臓器,組織におけるホルモン相互間作用
8.エネルギー代謝
齋藤 幸枝
1
,
上野 浩晶
1
,
中里 雅光
1
Yukie SAITOH
1
,
Hiroaki UENO
1
,
Masamitsu NAKAZATO
1
1宮崎大学医学部内科学講座神経呼吸内分泌代謝学分野
キーワード:
エネルギー代謝
,
視床下部レプチン
,
インスリン
,
グレリン
,
PYY
,
CCK
Keyword:
エネルギー代謝
,
視床下部レプチン
,
インスリン
,
グレリン
,
PYY
,
CCK
pp.1355-1360
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101797
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はじめに
生体はエネルギーバランスの恒常性維持機構を有しており,その調節系が正常に作動する限り,体脂肪量は一定に保たれる.このエネルギーバランス調節機構の中心に視床下部があり,摂食行動およびエネルギー代謝を制御している.近年,摂食調節やエネルギー代謝調節のメカニズムは,摂食やエネルギー代謝にかかわる新規物質の同定やその遺伝子改変動物,および食餌誘導性肥満動物モデルなどを使用した研究により次々と明らかになっている.脂肪組織,消化管,膵臓から産生される末梢由来のホルモンや代謝産物,遠心性および求心性の自律神経系,脳内の各種神経ペプチドがその調節系を駆動する情報伝達系として機能している.本稿では最近の報告を含めて,中枢神経系におけるエネルギー代謝調節の分子機構について概説する.
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