特集 おなかの病気を診る〜機能性消化器疾患への誘い—つらいおなかの痛み、張り、下痢、便秘への処方箋
【機能性消化管障害の非薬物的治療】
❸認知行動療法
村椿 智彦
1,2
,
金澤 素
2,3
1東北大学大学院医学系研究科教育研究支援部
2東北大学病院心療内科
3東北大学大学院医学系研究科心療内科学分野
キーワード:
認知行動療法
,
心理教育
,
注意訓練
,
認知再構成
,
曝露
Keyword:
認知行動療法
,
心理教育
,
注意訓練
,
認知再構成
,
曝露
pp.801-803
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350070801
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Case
患者:26歳、男性(会社員)。
主訴:下腹部痛、下痢
現病歴:心配性で緊張しやすい性格。13歳頃から試験などイベント時はいつも腹痛と下痢に悩まされていたが、生活に支障はなかった。就職後、仕事のトラブルをきっかけに下腹部の痛みや下痢が徐々に強くなった。会議などイベントと関連して動悸が出現し、業務に支障が出るようになり近医を受診した。上・下部消化管内視鏡検査、腹部CT検査、腹部超音波検査を施行されたが異常なく、下痢型過敏性腸症候群と診断された。症状をおそれて外出を必要最低限に控えている。消化管運動機能改善薬や止痢薬では著効せず、認知行動療法を導入となった。

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