特集 おなかの病気を診る〜機能性消化器疾患への誘い—つらいおなかの痛み、張り、下痢、便秘への処方箋
【機能性疾患のtips and pearls〜画像では明らかな異常がないが日常生活に支障をきたす疾患】
❼骨盤内うっ血症候群
佐野 敬夫
1
1朋佑会 札幌産科婦人科
キーワード:
骨盤内うっ血症候群
,
瘀血
,
駆瘀血薬
,
うつ病
,
抗うつ薬
Keyword:
骨盤内うっ血症候群
,
瘀血
,
駆瘀血薬
,
うつ病
,
抗うつ薬
pp.786-789
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350070786
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CASE 1
患者:24歳、女性。妊娠21週4日、保険営業。
現病歴:2日前より下腹部痛を自覚するようになった。痛みは徐々に増強し、受診当日は起床時から痛みを生じ、仕事に行けないほどとなった。産科的には超音波検査上、胎児は元気で胎盤にも異常はなかった。内診したところ、流産の兆候はなかったが、左骨盤壁に強い圧痛を認めた。
訴えが強いので、その場で入院管理とした。血液検査では白血球数は妊娠時正常域、CRP(C反応性蛋白)陰性であった。東洋医学でいうところの「瘀血」と判断して、桂枝茯苓丸エキス剤1回1包、3回/日を7日分処方した。これで痛みは改善した。入院2日目には骨盤壁の圧痛もなくなり、3日目の妊娠22週0日で退院となった。残りの桂枝茯苓丸はなくなるまで就寝前に服用するように指導した。

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