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特集 SUN☺D臨床試験のインパクト—日本初の医師主導型抗うつ薬大規模臨床試験から学ぶ
最初の抗うつ薬で十分に反応が得られなかったとき,どうすべきか?—SUN☺D臨床試験のStepⅡの概要と結果の紹介
How Should We Do when First Line Antidepressant Treatment for Patients with Major Depression is not Effective?:Findings from Step Ⅱ study of SUN☺D trial
明智 龍男
1
Tatsuo Akechi
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学
1Department of Psychiatry and Cognitive-Behavioral Medicine, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences, Nagoya, Japan
キーワード:
うつ病
,
depression
,
抗うつ薬
,
antidepressant
,
治療ガイドライン
,
treatment guideline
,
セカンドライン
,
second line
Keyword:
うつ病
,
depression
,
抗うつ薬
,
antidepressant
,
治療ガイドライン
,
treatment guideline
,
セカンドライン
,
second line
pp.25-30
発行日 2020年1月15日
Published Date 2020/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205971
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抄録 SUN☺D臨床試験のステップⅡでは,ファーストライン選択薬を3週間服用しても寛解が得られなかった大うつ病患者1,646名を対象に,同じ抗うつ薬を継続するのか,ミルタザピンで増強するのか,ミルタザピンに変薬するのか,いずれが急性期治療および継続治療として有効性および安全性に優れるか,を無作為化比較試験にて検討した。治療開始から9週間後のPHQ9スコアで,併用群は0.99点,変薬群は1.01点,継続群よりも有意に低くなっていた。セルトラリンとミルタザピン併用群とミルタザピンへの変薬群の間には有意な差は認められなかった。副作用の重症度には3群間に有意な差はなかった。以上より,費用対効果を考慮すれば,セルトラリンに反応しない場合には,ミルタザピン単剤への変薬が推奨された。本研究は,今までガイドラインでも見解が一致していなかったセカンドライン治療について新しい知見をもたらした。
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