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特集 SUN☺D臨床試験のインパクト—日本初の医師主導型抗うつ薬大規模臨床試験から学ぶ
SUN☺D臨床試験を通して日々のうつ病臨床を再考する
Evidence-based Clinical Practice for the Treatment of Major Depression
山田 光彦
1
Mitsuhiko Yamada
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神薬理研究部
1Department of Neuropsychopharmacology, National Institute of Mental Health, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
キーワード:
うつ病
,
depression
,
抗うつ薬
,
antidepressant
,
EBM
,
evidence-based medicine
,
臨床試験
,
clinical trial
,
SUN☺D臨床試験
,
SUN☺D study
Keyword:
うつ病
,
depression
,
抗うつ薬
,
antidepressant
,
EBM
,
evidence-based medicine
,
臨床試験
,
clinical trial
,
SUN☺D臨床試験
,
SUN☺D study
pp.31-37
発行日 2020年1月15日
Published Date 2020/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205972
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抄録 適切に実施された臨床研究の成果に基づき,自身の臨床経験や患者の希望を考慮しつつ,一人ひとり違う目の前の患者に最適なうつ病治療を提供する,これがエビデンスに基づいたうつ病の日常臨床の基本である。最近,うつ病のファーストライン治療戦略を確立することを目的とした大型の多施設共同評価者盲検化ランダム化比較試験(SUN☺D臨床試験)が実施された。SUN☺D臨床試験の重要な成果として,うつ病の初期戦略としては,標準投与量の下限を目標とすることが望ましいことが明らかとなった。さらに,初期治療薬としてセルトラリンを3週間服用しても寛解しなかった患者には,ミルタザピンの追加投与あるいは変薬により抗うつ効果が早く期待できることが明らかとなった。これらの結果は,うつ病の日常臨床に大きなインパクトを与えるものである。一方,うつ病の実地臨床には,その開始から終了に至るまで,解決が必要な切実な疑問が数多く残されている。今後,うつ病臨床において具体的な治療指針を立案するために必要な実践的エビデンスが数多く創出されることが強く祈念される。
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