特集 輸血のすべて
Part 2 血液製剤の使用
【コラム④】血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)に血小板輸血は禁忌か?—血小板補充目的の血小板輸血は有害となる可能性が高い
酒井 和哉
1
Kazuya SAKAI
1
1奈良県立医科大学 輸血部
pp.76-79
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120010076
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高度の血小板減少を呈する患者を診た場合に,反射的に血小板製剤のオーダーを行ってはいないだろうか。血小板減少の原因を考察することなしに血小板輸血を行い,不幸にも致死的転帰につながるケースが存在する。それは血栓性血小板減少性紫斑病(TTP*1)とよばれるまれな血栓症である。しかし,TTPに対する血小板輸血は絶対的禁忌なのであろうか。
本稿では,TTPの病態および治療をふまえたうえで,血小板輸血がTTP患者に及ぼす影響について概説する。
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