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今月の特集1 血小板の異常を正しく診断するために
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
Thrombotic thrombocytopenic purpura
酒井 和哉
1
,
松本 雅則
1
1奈良県立医科大学輸血部
キーワード:
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
,
von Willebrand因子(VWF)
,
von Willebrand因子分解酵素(ADAMTS13)
,
蛍光共鳴エネルギー移動原理(FRET)法
,
酵素免疫測定(ELISA)法
Keyword:
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
,
von Willebrand因子(VWF)
,
von Willebrand因子分解酵素(ADAMTS13)
,
蛍光共鳴エネルギー移動原理(FRET)法
,
酵素免疫測定(ELISA)法
pp.132-138
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201099
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Point
●血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は,von Willebrand因子(VWF)切断酵素であるvon Willebrand因子分解酵素(ADAMTS13)の活性低下に起因する致死的血栓症である.
●溶血性貧血と血小板減少を認める患者ではTTPを疑うことが重要である.同様の病態を呈する鑑別疾患を除外し,臨床的にTTPを疑えば,速やかに血漿交換を行う.
●TTPの確定診断はADAMTS13の活性10%未満によって行われる.
●後天性TTPでは自己抗体(ADAMTS13インヒビター)によってADAMTS13活性が著減する.新鮮凍結血漿(FFP)を置換液とする血漿交換療法およびステロイド投与が標準治療である.
●臨床の現場ではいまだreal timeでのADAMTS13活性測定ができないため,臨床所見に基づいて治療を開始する.
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