今月の主題 止血機構とその異常
出血性疾患の臨床;病態とその診断
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
久住 静代
1
,
高松 弓子
1
,
岩戸 康治
1
,
藤村 欣吾
1
,
蔵本 淳
1
1広島大学原爆放射能医学研究所・内科
pp.250-251
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220218
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概念
血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic throm-bocytopenic purpura;TTP)は,1924年Mosch-covitzにより最初に報告された症候群で,臨床的には溶血性貧血,血小板減少症,神経症状の3主徴あるいはさらに発熱,腎障害を加えて5主徴を認める.一方,病巣部の組織学的所見として,エオジン好性,PAS染色陽性の硝子様物質が,心,脳,腎を主体とした広範な組織の細動脈に沈着するのを病理学的特徴1)とし,本邦でもすでに100例近く報告されている.
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