特集 “わかったつもり”で終わらせない血液凝固異常とDIC
Part 1 病態
❼ 後天性 von Willebrand 症候群—一次止血の「質」を読み,VWFの量と質の乖離を評価に組み込む
生塩 典敬
1
Noritaka USHIO
1
1大阪医科薬科大学 救急医学教室
キーワード:
von Willebrand因子
,
VWF
,
後天性von Willebrand症候群
,
aVWS
,
一次止血障害
,
VWFマルチマー解析
Keyword:
von Willebrand因子
,
VWF
,
後天性von Willebrand症候群
,
aVWS
,
一次止血障害
,
VWFマルチマー解析
pp.27-31
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330180010027
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はじめに
抗凝固薬調整は適切で血小板数も十分。それでも気管内吸引で出血が続き,カニューレ周囲からの血液のにじみが止まらない——あなたがICUで時に遭遇するこの不一致に,後天性von Willebrand症候群acquired von Willebrand syndrome(aVWS)が関与しているかもしれない。
集中治療領域でのaVWSは,「高せん断応力」で惹起される「一次止血障害」であり,重症大動脈弁狭窄をはじめ,体外式膜型人工肺extracorporeal membrane oxygenation(ECMO)や補助循環の導入早期から現れる。臨床的には粘膜出血や穿刺部出血の遷延として表在化する。機械的循環補助の普及に伴い,2010年代以降,aVWSの認知はICUで急速に広がった。循環器や補助循環を多く扱う集中治療の現場では,aVWSは出血評価における重要なテーマになっている。
本稿では,aVWSの病態概念を整理したうえで,診断・検査に絞り,ICUで「いつ疑い,何を検査し,どう読み解くか」を提示する。

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