特集 非侵襲的呼吸管理:NPPV vs. HFNC論争 いま決着のとき
各病態におけるNPPVとHFNCのエビデンス,使い分け
【コラム】免疫不全患者—免疫不全における急性呼吸不全を別個に扱う必要があるのか?
内藤 恵仁
1,2
,
横山 俊樹
1,3
Keiji NAITO
1,2
,
Toshiki YOKOYAMA
1,3
1公立陶生病院 救急部集中治療室
2岐阜大学医学部附属病院 高度救命救急センター
3公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科
キーワード:
免疫不全
,
気管挿管
,
気管支肺胞洗浄
,
VAL
,
FLORALI試験
Keyword:
免疫不全
,
気管挿管
,
気管支肺胞洗浄
,
VAL
,
FLORALI試験
pp.484-488
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170040484
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はじめに
さまざまな新規薬物の登場により,血液悪性腫瘍や固形がんに対する化学療法,各種の自己免疫疾患に対する免疫抑制療法など,さまざまな免疫抑制を伴う治療が行われるようになっている。これらの患者にとって,呼吸器合併症の併発は致死的となることがあり,適切な管理が重要である。特に人工呼吸器関連肺炎ventilator associated pneumonia(VAP)の合併は重篤となるため,気管挿管回避のメリットは重視され,本特集のテーマである非侵襲的呼吸管理non-invasive respiratory support(NIRS)が積極的に推奨される要因ともなっている。
しかし一方で,病態生理の面から考えた際に,果たして気管挿管をしないことそのものがどこまでメリットがあるのか,これは未解決の課題である。気管挿管をしないことにより当然VAPは発生しなくなるが,果たして誤嚥性肺炎は防止できるのか? それ以上に,治療として必要十分であるのか? あえて本稿では「病態生理」の観点から考えてみたい。

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