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第1土曜特集 リンパ腫――病態研究と診療の最新知見
臨床の話題
免疫不全および免疫調節異常関連リンパ増殖性疾患
Immune deficiency and dysregulation-associated lymphoproliferative disorders(IDD-LPDs)
杉江 亨啓
1
,
鈴木 康裕
2
,
永井 宏和
2
Takahiro SUGIE
1
,
Yasuhiro SUZUKI
2
,
Hirokazu NAGAI
2
1国立病院機構名古屋医療センター病理診断科
2同血液内科
キーワード:
免疫不全
,
免疫調節異常
,
リンパ増殖性疾患(LPDs)
,
エプスタイン・バールウイルス(EBV)
,
メトトレキサート関連LPDs(MTX-LPDs)
Keyword:
免疫不全
,
免疫調節異常
,
リンパ増殖性疾患(LPDs)
,
エプスタイン・バールウイルス(EBV)
,
メトトレキサート関連LPDs(MTX-LPDs)
pp.691-696
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289090691
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免疫不全状態は,リンパ増殖性疾患(LPDs)の発症リスクが高いことが徐々に認識され,免疫不全関連LPDs(iLPDs)という疾患概念にまとめられてきた.しかし近年,分子標的薬などの新規治療薬が開発され,免疫機能低下をきたす薬剤が多様化したことや,免疫老化などが新たな免疫機能低下の原因として認識されるようになったことで,これまでの方法では分類できない場合があることがわかってきた.さらに,自己免疫疾患などでもLPDsの発症リスクが高いことが知られており,それらを包括的に分類できるように,WHO分類第5版で免疫不全および免疫調節異常関連LPDs(IDD-LPDs)へと大きく変更された.IDD-LPDsは免疫調節異常状態の原因の治療や,原因薬剤の中止で改善が得られることがあるが,あくまでヘテロな疾患概念であり,臨床的対応については明確な結論はでていないため,今後,さらなるデータの蓄積が必要である.
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