特集 酸塩基平衡,電解質異常に挑む
Part 2 酸塩基平衡異常の原因診断を極める
【コラム】輸液製剤の酸塩基平衡への影響は気にしたほうがよい?—Stewart法とエビデンスの視点から適切な輸液製剤を選択する
岸本 勇将
1,2
,
岡田 和也
3
Yusuke KISHIMOTO
1,2
,
Kazuya OKADA
3
1横須賀市立うわまち病院 総合診療センター 救急総合診療部
2横浜市立大学医学部 救急医学教室
3東京都立墨東病院 集中治療科
キーワード:
Stewart法
,
強イオン差
,
SID
,
balanced crystalloid
,
膠質液
,
血液製剤
Keyword:
Stewart法
,
強イオン差
,
SID
,
balanced crystalloid
,
膠質液
,
血液製剤
pp.102-106
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170010102
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
ICUにおける主たる治療に輸液療法が挙げられる。この輸液療法に伴い酸塩基平衡異常をきたすことがあるが,これを理解するには1970年代より注目されてきたStewart法が有用である。Stewart法を用いることで,酸塩基平衡異常の背景に隠れた電解質異常やアルブミンの影響を含めて解釈することが可能となる。Stewart法のなかで登場する強イオン差strong ion difference(SID),弱酸の総和total weak acid(Atot)は,輸液製剤の選択においても有用な概念である。
本コラムでは,SIDやAtotを輸液製剤の選択にどのように活用するかを解説し,その有用性を述べる。

Copyright © 2025, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.