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1 .買い物は投票である
現代社会に生きる私たちは、誰一人として消費を行わない者はなく、日々の食べる物、着る物を通して、それらを作っている世界中の生産者とつながっている。買い物をする時に、自分自身が何を基準に選択しているのかをふりかえることが重要である。質や値段、デザインの他に、安全性や環境への配慮など、人によって重要に感じる基準は異なっている。しかし、「買い物は投票と同じ」であると言われるように、私たちが日常的に行う買い物は、単なる消費行動ではなく、世界を変える影響力を持つ。何を選ぶかによって、企業や社会に対する支持や反対の意志を示す行動にもなる。例えば、フェアトレード製品やプラスチックフリー商品を選ぶことで、児童労働の廃止や公正な賃金の支払い、マイクロプラスチックごみの削減など、人や地球環境に配慮した取り組みに「投票」することができるのである。
2 . エシカル消費とSDGs(持続可能な開発目標)
SDGsは国際社会が2030年までに達成を目指す17の目標から成り立ち、貧困の根絶、教育の向上、気候変動対策などが含まれる。エシカル消費はこれらの目標に直接貢献する行動であり、消費者が意識的に商品やサービスを選ぶことで、企業の行動や政策に影響を与え、SDGsの各目標に貢献することができる。例えば前述のフェアトレード製品やプラスチックフリー商品の消費は、目標12(つくる責任つかう責任)や、目標14(海洋・海洋資源を保全)などに貢献する。「エシカル」とは、倫理的という意味であり、エシカル協会の代表である末吉里花さんは「え」いきょうを「し」っかり「か」んがえ「る」、ことであると述べている。「倫理的」であるとは、直接的な相手や自分だけでなく、見えない遠くにいる人や地球環境をも含む対象への影響を想像し、考えることなのだと言い換えることができる。
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