連載 グローバル時代の医療英会話Lesson 外来や病棟で出会う外国人をサポートするために・12【最終回】
SDGs(持続可能な開発目標)
ウイリアムソン 彰子
1
1神戸大学医学部附属病院 看護部
pp.72-75
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202071
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最終回の原稿を執筆している2021年11月には,アラブ首長国連邦をホスト国として「ICN(国際看護師協会)大会2021」が全面Web形式で開催されました。私は当院の看護部スタッフ6名と共にリモート参加しながら,当院のWeb会議システム上でも集まり,大会長講演に通訳を入れながら世界の看護の情勢を知る機会を設けました。
2021年11月までICN会長を務めたケネディ氏は,約2年にも及ぶCOVID-19への対応について,「世界中の看護師が長期間ストレス下に置かれ,燃え尽き,自分たちの価値を見失い,看護の現場から去ろうとしている看護師が約300万人いると見込まれている」と訴えました。間もなく定年を迎える看護師を含めれば現役の看護師の半分がいなくなるという試算が出ており,手遅れになる前に各国の政府が認識する必要があると講演されました。開催時点において,個人防護具(PPE)の支給もないまま感染患者のケアに向き合っている看護師がいること,新型コロナのワクチンを手に入れられない貧困国があること,こうした不平等の早期解消も訴えました。
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