連載 原著・過去の論文から学ぶ・20
脳と心のアンビバレンツ—こころの座をめぐる諸議論
加藤 隆
1,2
1つつじメンタルホスピタル認知症疾患医療センター
2群馬大学大学院医学系研究科神経精神医学教室
pp.193-195
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188160960780020193
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こころの座をめぐる諸議論
精神科医とは精神疾患に罹患した対象の,精神および行動の障害を観察して,その様式を分類し原因を探究し,状態の改善と病理の解明および病気の治癒を図るものである。了解不能な諸症状の背景には脳をはじめとする生物学的な基盤が推定されてはいるものの,その器質的側面と作用機序はこれまでのところ明らかにされていない。行動は精神活動の結果として生じるのであれば,個体の精神—つまり「こころ」—の解明が必要である。われわれはその「こころ」の座を,考えなしに「脳」と捉えがちであるが,これについてはさまざまな議論があることを理解しておかなければならない。本論ではそうした「こころの座」について改めて考えてみたい。

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