連載 原著・過去の論文から学ぶ・13
ギラン・バレー症候群の臨床と病態—過去の論文と自らの経験から学んだこと
神田 隆
1
1脳神経筋センターよしみず病院
pp.633-636
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188160960770050633
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ギラン・バレー症候群のオリジナル論文
Guillain G, Barré J, Strohl A: Sur un syndrome de radiculo-névrite avec hyperalbuminose du liquide céphalo-rachidien sans réaction cellulaire. Remarques sur les caractères cliniques et graphiques des réfleves tendineus. Bull Mém Soc Méd Paris 40: 1462-1470, 19161)
私の師匠からは,「オリジナルを大切にする,丹念に読む,そこに書かれた著者の考えをしっかりと抽出する」ことを何度も教えられてきた。最初に挙げるのはギラン・バレー症候群(Guillain-Barre syndrome:GBS)の嚆矢となった有名な論文である1)。私はフランス語の素養はまったくなかったが,研修医時代に下痢が先行した軽症GBS患者を主治医として受け持つにあたって,この論文を辞書片手に四苦八苦しながら訳出し,熟読したのを思い出す。後になって平山惠造先生が『神経研究の進歩』第10巻(1966)に全訳を掲載されていた2)のを知り,随分損をした気分になったが,若い頃のこういう経験は決して無駄ではなかったと自分に言い聞かせている。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.