特集 その裏にある「虐待」問題
「生活コントロールグループ」が虐待経験を言語化させた―増加した対応困難な患者に変化を迫られ続けた5年間
川崎 真弓
1
1菊陽病院
pp.18-25
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900719
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本稿では,私たちが精神科急性期病棟でこの5年間に経験した対応困難な患者へのかかわりのなかから,それらの患者の症状の裏にある虐待経験について述べたいと思います。
他者を操作する対応困難な患者は従来,外来で主に治療をしてきましだ、最近は年々人院治療に至る場合が多くなってきています。この5年間の対応困難な入院患者を振り返ると,5年前は1~2週間の人院が多かったのですが,次第に3か月,それ以上の長期にわたることも増えてきました。さらに,対応困難な患者が同じ時期に多数人院することで,病棟内の力動も左右され,病棟スタッフの対応に変化がもたらされました。
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