特集 その裏にある「虐待」問題
PTSD患者に,私たちはこう対応している―患者とともに回復を描き続けて
今木 顕志
1
1成増厚生病院
pp.26-30
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900720
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回復がなかなか描けない
最近,「きっかけ」という言葉がいつも頭に浮かんでくる。人院してくる患者のほとんどが「何とかして自分を変えたい」と願っているからである。しかし,患者とともに回復の道を歩みたいと強く思う一方で,私は患者の変化,回復がなかなか描けないのである。
私は,精神科急性期男女混合病棟に勤務して4年が経過する。人院患者の疾患は統合失調症をはじめ,アルコールや薬物依存症,摂食障害などのアディクション問題から気分障害,人格障害,痴呆症とさまざまである。しかし,ここ4年の人院者の推移を見ると,女性患者のPTSDや解離性同一性障害は年々増加している。
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