特集2 身体の「心地良さ」を,変化のきっかけに
グループ運動表現療法が,患者さんのこころをほぐした
竹原 厚子
1
,
井上 玉弥
1
,
古川 早苗
1
1香川県立丸亀病院
pp.62-66
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900560
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当病棟は女性の開放病棟で,入院中の患者さんは全体の85%が統合失調症です。統合失調症患者の特徴は,中核的な障害により自己と非自己を区別する能力の欠損であり,精神的なものと肉体的なものをはっきりと分節化するのが困難であると考えられています。そこで精神的なものと肉体的なものを分節化しながら自己への気づきを導くとともに,「身体感覚」「気分」を高めることを目的として,グループ運動表現療法を試みました。
今回取り組んだグループ運動表現療法は,町田市民病院神経料でうつ病患者への新たなアプローチとして開発導入された治療プログラムです。私たちは参加患者さんを対象に,グループ運動表現療法の前後に身体感覚や気分の変化についての自己評価アンケート(ビジュアル・アナログ・スケールを一部変更したもの)を行ない,セッション中における患者さんの変化を分析しました。その結果,「身体感覚」や「気分」を高めるのに有効であることが明らかになりましたので,紹介します。
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