特集 救急疾患,重症はこうして見極める—いつまでもヤブと思うなよ!
私の勉強法と若手医師の育て方
学びほぐす“unlearn”
佐藤 泰吾
1
1諏訪中央病院内科総合診療部
pp.743-745
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223458
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哲学者の鶴見俊輔さんが,ハーバード大学の学生時代にヘレンケラーから聞いた言葉“unlearn”を伝えています.ヘレンケラーは,学生時代に学んだことを社会のなかで「学びほぐす(unlearn)」必要を語っていたといいます.「私は大学でたくさんのことを学んだが,その後たくさん,学びほぐさなければならなかった」と1).
正直に申しますが,私自身に特別な勉強法はありません.上手に情報を集めたり,自分が学んだことをまとめ共有したりすることも,電子媒体の活用もあまり得意ではありません.だからといって記憶力が他人より優れていることもなく,膨大な文献を読みこなす力も不足しています.語学力に秀でていることもありません.それでも「仕事をするということは,前の世代から引き継いだものを,少なくともそれよりも悪くしないで,できるならば少しでも良きものを加えることで後進に手渡す作業である」と考えて,目の前の課題に取り組んできました.
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