特集 身体を使った対話“演劇”がケアになる
演劇という健康な依存対象
横道 誠
1
1京都府立大学文学部
pp.497-502
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201346
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ADHD当事者が語る『ガラスの仮面』
はじめに明記しておきたいが、筆者は「専門家」としてではなく、ADHDおよびアルコール依存症の診断を受けた「当事者」として本稿を記す。ADHDを含めて発達障害(神経発達症)は、その特性を持っているだけでは診断を行ってはならず、その特性に由来する実生活の支障が出る場合にのみ診断すると決まっている*1。二次障害として鬱病、双極症、社会不安症、パーソナリティ症、統合失調症などを罹患した人が、その一次障害として発達障害の診断を受けることが多い。
そのようなわけで、発達障害の特性をもちながらも、一応の健康な精神生活を送ることができている「発達障害グレーゾーン」の人が数多くいる。なかでも、ドジやそそっかしさを特徴とするADHDグレーゾーンの人物が、マンガやアニメには好んで描かれてきた。『ガラスの仮面』の主人公・北島マヤもその1人と考えられる。
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