連載 教育の地平線・9
―「演劇の教育的効果は,学ぶ内容を自分のものとしてとらえられるということです」―子どもたちの可能性を高める,演劇のワークショップ 植村純子さん
本誌編集室
pp.879-883
発行日 2009年10月25日
Published Date 2009/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101312
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「演劇で食べていく」ための活動としてのスタート
──植村さんは現在,演劇を教育に取り入れる試みをされていますが,演劇に関わってどのくらいになるのですか。
植村 大学生時代に演劇のサークルに入ってから,15年くらいでしょうか。96年にそのサークルのメンバー何人かで劇団衛星を作って,それからずっと活動しています。サークルでは役者から始めましたが,広報活動もやるようになって,だんだん「制作」の作業に関わることが多くなり,劇団旗揚げ時は,最初からスタッフでした。
演劇が好きで演劇に関わる仕事がしたかったので,自分が一番必要とされたり役に立つポジションがたまたま「制作」というところにあって,そこに特化していったんですね。そもそもお芝居を始めるという段階では,「制作」というポジションがあることも知らなかったので。
「制作」という仕事については,実は演劇をやっていてもちゃんとわかっていない人が多いかもしれないですが(苦笑),簡単に言えば,劇団の運営というか経営を担うポジションです。毎回の公演単位でいえば,宣伝してお客さんに見に来てもらうとか,当日お客さんを迎える準備をしたりする。劇団活動全体という面では,いつどこでどんな公演をやるかを決めたり,劇団として今後どうしていくかを考えたり,所属している俳優のマネジメントや資金繰りに携ります。どの仕事も,特に誰かに教わったということはなくて,やっていく中で失敗しながら覚えたり,先輩の劇団の公演を手伝いに行って教えてもらったり,仕事ぶりを見て盗んだという感じです。
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