連載 精神科に入職して初めて働く時に、やったほうがいいこと、やらないほうがいいこと・5
私が患者さんから学んだ「精神科仕事術」
精神科の楽しさと難しさを感じ始めているあなたへ
山下 隆之
1
1医療法人資生会八事病院
pp.76-81
発行日 2020年1月15日
Published Date 2020/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200711
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■精神科の勉強の仕方
▷患者さんとのかかわりを通して学ぶことからスタートしよう
他科での看護経験はあるけれど精神科で働くのは初めて、という人から、「最初に何を勉強したらいいですか」と尋ねられることがたびたびあります。そんな時私は、「まずは患者さんから学ぶといいと思います」と伝えています。精神科では、自分を知り、人を理解していくプロセスがどこまでいってもケアにつながっていると私は思います。精神科は「こうすればこうなる」という答えがない、とよく言われますが、そうではなく、患者さんの数だけ答えや選択肢があるということです。
精神科で働く時に、やみくもに精神疾患や精神科看護の本を読んで知識を得ても、先入観が入ってしまい、そこに1人の人として存在している患者さんを捉えにくくなってしまうこともあります。精神科はそこに存在している患者さん自身が最高の教科書です。まずは患者さんとの1つ1つのかかわりを通して学ぶことに専念すればよいと思います。
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