「感情をマネジメントしない」ことの、なんと難しいことよ

「ちゃん付け」を続けているAさんと面接してみた

　前回恩師のもとを訪れた時、私は、「ちゃん付け」を続けているAさんとの面接をすると宣言し、すぐに実施しました。実はAさんは全員に対して「ちゃん付け」しているわけではなく、特定の1人の患者さんだけにしているのです。

　そこで面接室に入ると、私は最初にその理由や思いを聞きました。私のなかでは、まずはAさんの理由や思いを聞いて、それを認めた上で、「でもこれからは“ちゃん付け”はやめてください」と言おうと計画していました。ところがです。意外にもAさんは、「実は自分で考えて、数日前から“ちゃん付け”をやめています」と言ったのです。私は、Aさんが自ら行動を変えたことがうれしくて、半年間様子を見てよかったと胸をなでおろしました。